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「だから悪魔じゃないって。世界一安全な国だよ日本は。俺はただの人間。それより君は…俺に電話かけてきた子だよね。名前は確か…ミーナ?」
「はい…そうです…」
やっぱりそうだった。俺にイタズラ電話してきた子だ。
「そっか。まー、聞きたい事はいろいろあるんだけど。ひとまず、ここが何処か教えてくれる?あと、君はどこの誰?」
おそらくこの子が俺に何かしたんだろう。それは後で確認するとして。まずは連絡先でも聞いて一旦家に帰ろう。
多分この子は海外からホームステイでもしている中学生だ。日本のカルチャーに惚れ込んで、どこぞのゲームキャラのコスプレでもしているんだろう。女の子が羽織っているコートがそう思わせた。無駄にたくさん付いたベルトや西洋風の凝った装飾、街中じゃまず見ない一品。茶色のブーツや黒いニーソックス、ちょっと短めのスカートなんかは普通っぽく見えるが。
「ここは…ホワホワっていいます…あのー、あなたが居た所とは…別の世界です。わたしは魔導士です。あっ、正確にはまだ見習いなんですけど…」
ばつが悪そうにミーナという女の子が答えた。どこまでも自分の設定に忠実な子だ。
「いや、そうじゃなくて。本当の場所を…」
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