星の夜

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「空が18になるまで、告白はしないって父さんと約束してたんだ。」 俺の恋愛感情で家族から空を孤立させたくなかったから。そう付け足した口調は自嘲の混じったものだった。 「それが分かっているなら、何故こういう事になってるんだ。空はまだまだ子どもだ。」 強い口調で巽兄さんに向って父さんは言った。 「俺も、父さんも母さんも空を愛していて、空を守りたくて約束をしたと思ってる。 だから、俺に好きだと言った空を約束を理由に一度断るなんて試すような真似だけは絶対にしたく無かっただけだよ。」 毅然とした態度で巽兄さんは言ったが、つないだ手に力がこもるのが分かった。 「空。」 父さんに声をかけられそちらを向くと父さんが真剣な表情でこちらを見ているのが分かった。 「巽の事が好きか?」 「はい。」 僕の気持ち全てをこめて頷いた。 父さんは眉間を軽く押さえると、溜息を一つついた。 「空、巽との事があろうが無かろうが空は父さんと母さんの子どもだ。 だから、もし巽に泣かされる事があってもここが空の帰ってくる場所だ。 それだけは覚えておいて欲しい。」 そう言うと、巽兄さんの方に顔を向け 「良いか、何があっても空の事を守ってやれ。」 と言った。 「父さん、ありがとう。」 静かに巽兄さんは父さんと母さんに頭を下げた。     
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