星の夜

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言っている意味が分からなかったが手を引かれ目の前のレストランに入った。 「ただいま。」 あの人が言ったその言葉でここが彼の家だという事が分かった。 「お帰り、巽(たつみ)。」 エプロン姿の女性が答えた後、僕に視線を移した。 息を飲む音が聞こえた。 「うちの前に居たから。飯食わせたいんだけど良いかな。」 お母さんであろう女性に言うと、もう誰も居ない店内のカウンターに僕を座らせた。 その間も僕の手には星が握られたままだった。 「ちょっと俺着替えてくるから。それからその星、箱か袋がいるな。ちょっと待っててな。」 お母さんに二、三何か話しかけるとそのまま彼は奥の方へと入って行った。 彼女は僕にニコニコしながら近づくと 「はじめまして。私は三好優子(みよしゆうこ)よ。好き嫌いはある?」 僕は首を横に振りながら 「後藤空(ごとうそら)です。」 と答えた。 間もなく、あの人が戻ってきて一緒にご飯を食べた。 初めて食べるオムライスはふんわりしていて、とても幸せな味だった。 僕は食べている途中でだんだん眠くなってしまって、全部食べ終わる前に寝てしまった。 だから、その後あの人とその家族がどんなやり取りをしたのかを知らない。 でも、それからしばらくして僕とあの人、三好巽さんは家族になった。
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