星の世界

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その言葉に傷つくほどもう子供では無かったが、モヤモヤしたものが腹の底の方で渦巻くのが分かる。 目の前の友人は悪意を持って言っている訳ではないのは分かっているし、だからどうしたという程度の話だ。 俺が気に過ぎているだけなのだ。 「そうだけど、悪いか?」 逆にニヤニヤとした表情で返すと、ホントお前って男前なのに彼女作んねーよなと返された。 そんなモヤモヤしたような、イライラしたような気持ちを抱えたまま自宅にたどり着いた。 空に癒してもらいたい。そんな邪な感情を隠す様に、明るい声で「ただいまー。」と声をかけた。 パタパタと軽い音を立てて小走りで玄関で出迎えてくれる空に、実際にテンションが上がって行った。 「そらー、こんな遅くまで起きてちゃ駄目だぞ。」 酔っている所為なのか、空に触りたいという欲求が止められない。 サラサラの髪の毛を撫でるとシャンプーの良い香りがしてくらくらする。 「お水飲みますか?」 うちの子可愛い。そらは優しくて可愛い。 「そら、ホントお前可愛いな。」 思っている事がそのまま口から出てしまった。 空は真っ赤になって照れている。 普通この年の兄弟はこんな事言わないのだろうか。 まあ、うちはうち、よそはよそ。 そんな可愛い空の様子に堪らなくなって空の事を抱きしめた。     
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