星の夜

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僕が巽兄さんと出会った日の翌日、何故か巽兄さんの頬が酷く腫れ上がっていた。 僕が三好さん達の家族の仲間入りをした後すぐに僕達一家は引っ越しをした。 幼かった僕には良くわからなかったが、中学生になった今なら分かる。 どちらもきっと僕の為だったという事だろう。 僕は三好家の家族三人の優しさの上で今も生きていられるけれど、その優しいお父さんとお母さんと巽兄さんは、きっと僕の所為で嫌な思いをしたり、しなくても良い苦労を強いられたのだ。 時々、とてつもなく申し訳ない気持ちになって、もうこの世界から消えてしまいたくなった。 だけど逆に僕が消えてしまったら優しい彼らはきっと僕を探そうとしてしまう。 そう思うとそれも出来ない。 そんな時はそっと自分の部屋の机の引き出しにしまった、あの星を出して眺めるのだ。 僕の大切な宝物だ。 キラキラと輝くそれを見ていると、あの時の幸せな気持ちを思い出せるのだ。 勿論、巽兄さん達はとても良くしてくれている。 赤の他人のはずの僕を引き取ってくれただけでも感謝してもしきれないのに本当に大切にしてくれているのが分かる。     
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