星の夜

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暫くそうしていると巽兄さんは「良し、寝るか!!」と明るい声で言った後、僕を抱っこして僕の部屋へと連れて行ってくれた。 それは所謂お姫様抱っこと呼ばれる体制で恥ずかしいけど、大好きな巽兄さんが至近距離に居て、嬉しいって正直思ってしまった。 でも、付き合っている恋人にもこんな事をするのかなと思って少し悲しくもあった。 僕の部屋で僕を下ろすと 「お休みな。」 と言って巽兄さんは僕の隣の自分の部屋に入った。 その日は夜遅くまで巽兄さんの感触を思い出して、僕はドキドキが止まらなかった。 兄代わりになってくれた人に、男の人に対してこんな風に思う僕はやっぱり、きっとどこかおかしいのだろう。
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