星の夜

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星の夜

あの星取って、確かにあの時僕はそう言った。 見上げた木の一番てっぺんにそれはあった。 近所にある、あの人のお家は飲食店を営んでいてクリスマスになると大きなツリーと綺麗なライトが毎年飾り付けられていた。 5歳の時だ。 一人で出歩いていた先に見えたキラキラと光る夢の様な光景に目を奪われた。 慌てて駆け寄ってキラキラと輝く大きな木を見つめた。 その一番高い場所にそれはあった。 透明なのにキラキラ光っている本当の星の様で、当時クリスタルなんていう言葉を知らなかった僕の目にもそれは宝物の様に映った。 普段、欲しいなんてとてもじゃないけど言えない様な生活をしていた僕だけど、それをどうしてももっと近くで見てみたくてそっと手を伸ばした。 だけど案の定手は届かなかった。 それでもあきらめられず、つま先立ちになって手を伸ばしていると後ろから声をかけられた。 「おい、何をやってるんだ?」 その声にびっくりして、前のめりによろめいて、そのままぺしゃりと転んでしまった。 転んだまま、首を後ろに向けると学ランを来たお兄さんが立っていた。 「こんな薄着で、こんな時間になにやってるんだ?」     
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