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♯Rihito Kujirai
キミがいつも泳いでいたこの空に、僕はずっと嫉妬していた。
まるで無限に広がる青が、儚く揺蕩う白が、僕とキミを隔てる境界線に思えた。
あの日。
僕の歯車を止めたのは、間違いなくキミだった。
それは赦しを乞うための猶予だったのか。
塵が塵へと還るための序章に過ぎなかったのか。
今となってはそれも、もうどうでもいい。
再び歪な音で廻り始めた世界から、僕はただ。
泡のように消えたいだけなんだ。
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