セージ、タイム、レモングラス

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烙印。つい、そう零してしまいそうになってやめる。本来ならばその偉大さを示すはずの証が、自分にとっては恥ずべき罪の跡なのだ。そしてこの証は自分が死ぬまで決して消えることはない。 「あれは、見せびらかすようなものではないんだよ」 少年はハーブを詰めながら、残念そうに「そうなんだ」と言った。それが最後の袋らしかった。彼は手先も器用だし、勘も良かった。このまま続ければ、きっとすぐにでも証が現れるだろう。そう、男は思っていた。 「でも。僕はその時々で変えるけど、オレンジピールとハニーブッシュは絶対に入れてもらうよ。だってそのほうが絶対にいいよ。僕が調合師になったら、先生の分も作ってあげる」 無邪気な少年のその言葉を聞いて、男は繊細な何かに触れるように、慎重に。少年に尋ねた。 「柑橘系は、光の影響が強すぎるとは思わない?」 「でも明るくはなるでしょう?それはいけないこと?」 少年は不思議そうに言った。男は思わず溢れそうになった涙を咄嗟に堪える。そしてそのせいで喉を詰まらせていることを、少年に知られないようなんとか取り繕って、やっとの思いで絞り出すようにして言った。 「そうだね。どうだろうね」
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