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「あのな…雄一郎、これは提案っていうかお願いなんやけど」
と切り出した。
「何?改まって」
と雄一郎はいつになく少し真剣な顔になった。
「今さあ…アヤカ運輸を一人でやりよおやんか」
「うん」
「今度3人、社員を入れて業務拡張するとさ、けっこう彩花が注文取ってくれるけん一人じゃ回れんようなったんさ」
「それで…その中の社長さんの一人に俺らの二つ上の『豊島さん」って社長さんがおって、その人の勧めで今度アヤカ運輸を会社組織にして『株式会社アヤカコーポレーション』に変えてな、その中に建設関係の部署を作ろうと思っとおとさ」
「うん」
少し考えて「やるやん!クミ」と笑って言う。
「で…雄一郎さあ、そこの建設部門の担当役員になっちゃらん?」
「雄一郎やったら実績も申し分なかし気心は知れとおし。今の給料ほどは出せんけど、8割は保証するけん。どげん?」
雄一郎は少し考えていた。それからゆっくりと口を開いた。
「うん…空に聞いてみんとわからんけど…そしたら日本に帰れるんか」
「そう!日本で一緒にまた昔みたいにやらんか?」
「まあ考える。どっちにしてももう今の会社辞めようかっては思ってたし。ありがとうな、クミ」
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