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「でもさあ…あと4点やったとよ!1位の純平との差は」
この点数でも悔しがるのは彩花そっくりだと思った。
高校の頃、彩花も満点を逃しただけでよく半泣きになっていたっけーーーーー。
「このレベルを維持できればガオカ(筑紫丘)は大丈夫やね!」
と言う彩花に
「うん!これからもまたよろしくね!純平に勝ちたいけん!」
芽呂も目を輝かせた。
「純平ちゃんって…この前話してた『彼氏』?」
「そっ!野球部の補欠!」
ーーえっ?彼氏?どんな男?
娘が可愛い父親の感情が顔を覗かせた。
たぶん彩花のお父さんもこんな気持ちだったのかも…と思うと辛かった過去を少し許せる気にもなる。
「やっぱさ、彩花姉ちゃんが作ってくれたあの『暗記プリント』が効いたね!年号の語呂合わせだって、ね!」
二人お気に入りのカフェモカをふうふうしながら楽しそうに笑っていた。
「お兄ちゃん!大政奉還って何年でしょ!?」
「ん…1867年!」
「やるじゃん!そしたら国家総動員法は?」
「ん…知らんかな。」
「1938年よねえ!お姉ちゃん!『戦は総動員』だもんね!」
彩花は嬉しそうに目を細め芽呂を見ていた。
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