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その夜、久しぶりに二人でお風呂に入った。彩花の身体を明るい光の下で見たのってどれくらいぶりだろう。
芽呂を産んだとはいえ、とても中学生の子供がいる身体には見えない。体型維持のため、毎朝のジョギングやヨガなど努力しているのは知っている。
それなのに…彩花のことを『女性』ではなく一人の仲間というか同志、人として無意識に見ていたことに反省させられた。
「彩花、ちゃんと立って身体見せてくれよ」
俺が言う。
「こう?」
恥ずかしがりながらも俺の目の前に全てをさらけ出す彩花。あの『冬の日』の小屋の暖炉の前で全裸になった時の光景が再び恋心を呼び覚ます。
その生まれたままの綺麗な彩花の裸体に俺の男の部分は素直に反応する。そしてその夜、久しぶりに夫婦の夜の時間を楽しんだ。
少し肌寒くなったはずの季節の中で、二人の部屋だけは熱気と狂気のような気をはらみ窓が白く曇っていた。
そして翌朝、秋は道端の草に霜を残し旅立っていった。
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