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俺のおでこに彩花のおでこがくっつくと彩花は目をじっと見つめ
「クミ、赤ちゃんができたみたい」
と目を潤ませた。
ーーーー俺の中でまた『あの歌』が突然流れ始めた。
「えっ?マジで?」
と聞き返した時、冬の北風がスーッと頬を撫でて通り過ぎた。
彩花は応える代わりに、コクんと小さく頷く。
俺は身体を起こし
ーーやったあああーーーーーーっ!!!
ーーヤッたー!
と叫びながら彩花の周りを幼い子供がプレゼントを貰ったように駆け回った。それほど俺は嬉しかった。
俺が走り回るのを彩花は目を細めて嬉しそうに見つめていた。
俺にとっても彩花にとっても忘れられない記念日がまた1つ増えた。
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