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ーーはあ…はあ…ごめん彩花。
そう悲しそうな声で呟く。
ーーなんで謝ると?仕方ないやん。
そう言いながら胸に埋まった
クミの髪を撫でる。
気がつくといつの間にか
外の雨は止んでいて
隙間から差し込んでいた光もなくなり
辺りは暗くなっているようだった。
何時間もお互いの気持ちと情熱を
確かめあっていたなんて思えないほど
一瞬の出来事のように思える。
一度果てたクミはすぐに回復し、
わたしもクミもバージンにさよならした。
気付いた時にはもうすでに
夜の9時を回っていた。
クミが洋服を取ろうと手を伸ばした時
スマホが鳴り出す。
それはクミのスマホで、雄一郎からの電話だった。
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