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まだまだ夏の暑苦しさが残る9月の終わりの日曜の夜。雄一郎からクミに一通のメールが入る。
雄一郎
ーークミ、彩花に空から何か連絡入ってない?空に連絡つかんちゃけど。
クミ
ーー聞いてみる。
「彩花」
「何?」
「最近、空どうしよるか知っとお?」
「ううん。最近二週間はメールも来ないね」
「あ…そう。雄一郎が空に連絡つかんのやて。どうしたとかな。何かそんな素振りとかあった?」
「何もないと思うけど…あっ、そう言えば最後にメールした時、何か妙なこと言いよったかも。」
そう言って彩花が空とのラインを不安げに確認した。
台所ではやかんがピーっとお湯が沸いたことを知らせていた。未来を暗示するように。
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