獣人少女を救った話

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「今日のご飯だぞー」  無事に彼女の枷を外して早数日。流石に初日は此方の出す食事を食べてはくれなかったものの、目の前で口にしたり敵意が無いことを身体で示したりしていると、ようやく食べてくれるようになってきた。おかげで日に日に身体は包帯まみれになっていったが、取り敢えずはもう増えることは無いだろう。  オートミールなのでさほど旨くはないだろうが、長らくまともなものを食べていないであろうことを考えるといきなり固形物は具合が悪い。取り敢えずこれで一週間程は我慢して貰う。 「あーあー、口汚して……」  一応スプーンは用意してあるが、使い方がわからないのか完全に犬食いである。まぁ、狼の獣人のようなのである種間違ってはいないと思うのだが。見た目は少女に大きな尾と耳が付いているだけなので直接はほんの少し見目が悪い。まぁそんなのは追々でいいのだが。  とにかく完食するまで見届ける。その後は……自分の怪我の心配でもしておこうか。包帯でも替えることにする。     
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