解散してしまった

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俺は作詞はできるが作曲はしたことはなかった。だけどせっかく声をかけてくれたので、コントの内容も聞かず、どんなアイドルかもわからないまま、深夜だからという理由で、こんな歌を作った。 「よせて、あげて、つつしみ深く」 よせて あげて つつしみ深く よせて あげて つつしみ深く 貧乳なんて言わないで 乳牛みたいみたいにモー・モ・モー よせて あげて つつしみ深く よせて あげて つつしみ深く ワイヤーが食い込んで 高麗人参がクン・ク・クン 先輩オッパイが好きですか ツインテールが好きですか 先輩失敗しましたか できちゃったんですか よせて あげて つつしみ深く よせて あげて つつしみ深く はい、お紅茶はいりました ミルクティーみたいなハイ・ハイ・ハイ よせて あげて つつしみ深く よせて あげて つつしみ深く ハイオクガソリンが割高で ピンクキャデラックがライ・ラ・ライ おっぱい星人じゃありませんか ニーハイソックスが好きですか 唐揚げ弁当余ってませんか お持ち帰りできませんか よせて あげて つつしんで よせて あげて つつしんで 特に意味はない。言っておくが俺はおっぱい星人でもない。とにかく頭に浮かんだいろんなことを、語呂がいいように、つなぎ合わせただけだ。 歌詞を先に作って、後は適当にどこかで聴いたことのあるメロディーをくっつけて、知り合いのプロデューサーに送った。 しばらくしてその深夜番組のプロデューサーから電話がかかってきた。 「すいません。渡辺です。おっぱいの歌ありがとうございました。コントのネタが切れて煮詰まってたんです。独特の感性をお持ちですね」 「いや、まあ、必死で作りました」 あんな歌必死で作れるわけないだろう。 「それでですね。あの手のコントをシリーズ化しようということになりまして、もうちょっと、ああいった変わった歌を作って欲しいですけど」 「あの歌はもう採用されて、コントになったんですか」 「もう収録は終わりました。オンエアーはまだですけど」
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