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ああ…でも確かに、昔はちょっと違っていたわ。
昔はここまで白に拘りはなかったかも。…私の肌の色は、白くないでしょ?黄色いっていつも馬鹿にされてたの。よその国ではそうでもないけれど、この国はみんな白い肌の人ばかりだから、私の家族はやっぱりどこかおかしかったのね。
私、それが悲しくて悲しくて。私も白くなりたかったの。お母さんやお父さんは気にしなくていいと言ったけど…私にはこの肌の色が、汚れているようにしか思えなくなってしまって。町の人はみんな真っ白でとても綺麗なのに、どうして私はそうじゃないの。私の家族だけが違うの。昔の私は、そうやってずっと泣いていたのよ。
だから、どうにかして、白くしようと思って。
町のみんなの大好きな“白”に近づきたくて、白いものを集めて、白くないものをきちんとお掃除しているうちに…私は、白の魅力に取り憑かれていったのよね。
…ええ。…ええそうよ。ただ、壁や天井を白く塗って、服やお皿を白で揃えるだけではダメ。白いお洋服を着て、白い家具を揃えたってそれだけじゃ足らないのよ。
白くないものを…汚れたものを、きちんと、毎日コツコツお掃除していかないと。ゴミはほっといたらどんどん溜まっていってしまうわ。こうして、呼んでもないのにお屋敷の中に入ってきて、いつもいつも私の大切なお城を汚していくの。それってすごく、すごく…すっごく苦痛なことだわ。
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