最悪でした

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…暇を持て余している。 奴に召喚されてからというもの、普通の生活を送れているのは事実だが、如何せんやる事が何も無い。 毎日補給されているお金は本当に最低限しか無くて、遊び歩こうにも全くもって足りないし、万が一の事を考えるとどうしても節約をしてしまう。 元の世界だと遊びたい時に遊べていたのに。お金も時間も有り余っていた、だから今の暮らしは正直に言うと苦痛だ。飼い殺しってこういう事を言うんだろうな。あーぁ、俺も飲みに行きたい。 この数日間、俺を召喚しやがった張本人とは全く顔を合わせなかった。部屋でゴロゴロしていると、たまに物音が聞こえてくる。帰ってきて寝る支度でもしてるんだろうなって感じだ。当然俺は話しかけるわけでもなく無視をする。逆に俺が出迎えたとしてもガン無視されそうだしな。 なんか仕事でもしようかな。この世界でもホストってあるのかな。そんな気持ちで街を歩いて探してみるけど如何わしいお店は全然見つからなかった。くそ、健全な世界め。もっと裏路地とかに入らないと見つからなかったりするんだろうか。 そう思って奥の方に行ってみると娼館はあったけど男を扱っている所は無い。まぁ俺えっちは好きだけど売り専とか男娼をする程じゃないしな、あっても別に働かないけど。 暇過ぎてどうにかなってしまいそう、くそ、なんで俺がこんな目に合わなきゃなんねーんだよ。どれもこれも全部アイツのせいだ。文句を言ってやりたいけど今の俺の命綱は皮肉にもアイツだし何よりも顔を合わせたくない。 「なんかいー事ないかな」 ここに来てから昼夜逆転していた生活が元に戻ってしまった。今日も今日とて暇を持て余した俺は何となく街をブラブラしているのだった。
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