1363人が本棚に入れています
本棚に追加
/1294ページ
怪訝そうにウォレスが顔を顰めると、レイチェルはベンチに座って言った。
「以前、あの子がムキになって怒鳴ったことがあるの。『あの人は凄く優しくて、こんな俺を励ましてくれて、それで、それで・・・!』って」
マックスの口調を真似しながらレイチェルに、ウォレスが目を丸くした。
「本当よ。本当にそんなこと言ったの。そんな口調で。必死な顔をしてた」
ウォレスがレイチェルの隣に腰を下ろす。
「あの子はねぇ、ウォレスさん。もうあなたに夢中よ。その事実に困り果てて、泣いちゃうぐらい」
レイチェルがウォレスを見る。ウォレスは、何と答えていいかわからず、唇を噛み締めた。
「でも、安心して。どうやら、諦めるみたい」
レイチェルが軽く溜息をつく。
最初のコメントを投稿しよう!