act.24

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 きっとプライドを持って仕事をしている女性に違いない。  そんな女性の目を欺くことはできないと、ウォレスは思った。  ウォレスは肩を竦めると、彼女の瞳を避け、うっすらと雪が降り積もった地面を見つめた。 「・・・本当は、どういう風に彼と顔を合わせていいのか、わからないのです。私と会うことで、あの酷い晩のことを思い出してしまうかもしれない・・・。そうであるのなら、それはかわいそうだ・・・」  所々詰まりながら話すウォレスは、まさに彼らしくなかった。下手な言い訳をするティーンネイジャーのようである。  居心地が悪そうに宙をふらふらと泳ぐ手を、レイチェルの白い手が捉えた。ウォレスが顔を上げる。 「少し散歩しませんか? 寒いけど、雪化粧の中の散歩も乙なものでしょ?」  二人で白い息を吐きながらしばらく歩くと、運河のほとりに出た。  水の温度の方が外気より高いようで、川面からうっすらと湯気が上がっている。 「あそこに座りましょう」  レイチェルが、ベンチを指差した。  ウォレスはベンチの上の雪をはらうと、自分のコートを脱いでベンチにかける。振り返ると、レイチェルのいたずらっ子のような笑みがあった。 「なるほど・・・。マックスの言ってることは正しいって訳ね」 「?」     
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