act.04

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 ジェイコブ・マローンは、C・トリビューン紙の配送センターに勤める男だった。  勤務態度は極めて真面目で、主に刷られたばかりの新聞を各配送トラックに荷詰めするための仕訳作業に携わっていた。  誰もが、ただ金を貰うだけの仕事と割り切って行っているような単純作業でも、マローンはその仕事に誇りを持っていた。マローンにとってこの仕事は、他の連中とは違い、趣味と実益を兼ねたものだったからである。  マローンの趣味は、新聞を集めることだった。  年老いた母親と2人暮らしのアパートメントには、市立の図書館にも負けないほどのコレクションが、クローゼットの中に山積みになっている。しかも、家の中に収まりきらなくなった分については、近くの貸倉庫に保管してある。  マローンの自慢は、自分が生まれた日の世界中の新聞がコレクションされているということと、各社がたまに出す号外をたくさん集めているという点だ。特に、地元のC・トリビューン紙の号外については、ここ20年近くのものが全て保管してある。     
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