結婚生活

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第一展望台は、高そうな一眼レフを 構えた方達がいっぱいいた 『雲が下がってきたね』 雲海が少しずつ下りてきて いい感じになってきた 『もう少し、雲が下がれば 竹田城が見られるな』 本当にもう少し下がれば……って 感じだったけど…結局見られなかった そのうちに、雲がまた増えはじめて 『今日はダメだな』 なんて周りの声も聞こえて 帰る人もでてきた 『あー、残念だな』 下り坂は、それはそれで 膝が笑っちゃって、大変 『もう、来られないだろうな…』 思わずつぶやいた 『また来ようぜ』 『体力があるうちに、行かないと』 『真琴が、ばあさんになっても 俺が引っ張ってやるよ』 航平くん 私が、ばあさんなら あなたは、じいさんよ じいさんになっても 体力も性欲もありそうだけどさ 次に来る時は…… 航平くんによく似た息子が 私の手を引っ張ってくれたら…なんて 妄想してみた
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