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桜はその場に腰を落として、最悪な日になりそうだわとため息をつき、ちょっと着替えてくるとすぐに立ち上がって自室に戻っていく。
急いで階段を駆け上がる桜を見ていた三人は爆笑していた。 その声は桜にも聞こえていて、そこまで笑わなくてもいいじゃないと文句を言いつつも日付を間違えなければよかっただけだしと自身で納得をするしかなかった。
自室に戻って桜は制服を脱いでミニスカートとTシャツにロングカーディガンを着てリビングに戻っていく。 一息ついてソファーに座ってニュースを見ていると、手に持っていたスマートフォンから着信音が聞こえた。
「もしもーし、どなたですかー?」
桜が電話に出ると、通話口から怒鳴り声が聞こえた。
「どなたですかーじゃないでしょ! 今何時だと思っているの!」
その通話相手は桜の友達の花音であった。 桜と花音は若者の間で人気沸騰中の街である内宿町に行こうと決めていたのであった。
桜は約束していたことを忘れ、リビングで寛いでいたところ、約束の時間である八時半になっても現れない桜が心配になって花音は電話をしてきていた。
「ご、ごめんなさい! 忘れてたわ!」
謝る桜に花音はお昼奢ってと呟いた。 桜は奢るから許して今から行くからと叫んで通話を切って出かけてくると大声で叫ぶと、自室から財布と鞄を持って外出した。
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