小説家さんとバンドマンくんのお泊り

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 背後で疲れきった様子の大河さんの声が聞こえて、その直後に彼がべたっと隣に倒れてふぅ、と大きく息を吐く。  その姿があまりに官能的で思わず目を逸らすと背中を上から下につう、と指でなぞられ、達したばかりの敏感な体はぞくぞくと震えてしまう。 「恥ずかしい?」  弱い刺激に顔を伏せて耐えていると彼の指が腰のあたりで止まってそう問いかけてくる。  疲れているのかその声はいつもと違って聞こえて落ち着こうと息をゆっくり吐いてから 「今、反省しているところなので」  と返事をすると 「エロすぎたことを?」  とからかっているとしか思えない言葉が返ってきた。 「違います」 「じゃあ、こっち向いて」  そう言われても応じずにいると背後でギシ、と彼が起きあがった気配を感じる。 「シャワー、浴びてくるならそこ、ちゃんと洗わないとダメですからね」  年上としてそれくらいはしっかりしないと。とわずかに顔を上げてそう伝えると大河さんはまだベットの上にいて唇に触れるだけのキスをされる。 「なっ、」 「シャワー、一緒に行こう?」  彼の行動に動揺しているとベットに乗せられたときと同じように膝の下と背中を支えてそこから持ち上げられる。「ちょ、私まだ行くとも行かないとも言ってないんですが」 「だって、中に出しちゃったからキレイにしないと」 「それくらい、自分でできます」 「自分で?」 「へ、変な想像しないでください」  深い意味もなく言った言葉を聞き返され、隠していることがバレているんじゃないかと思っている間にも大河さんは足を進めていて。狭いひとり暮らしの部屋ではあっという間に脱衣所についてしまった。 「一緒にお風呂か」  そこからでも力づくで逃げようと思えば逃げられたのだけれど、嬉しそうにそう言われたら力が抜けてしまって抵抗することもなく一緒にお風呂に入ってしまった。 七話につづく。 https://estar.jp/_novel_view?w=25294853
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