▼5分以内に「大脱出」

8/8
94人が本棚に入れています
本棚に追加
/153ページ
無心にならずに暴力的になったみかこしはみかしーに掴みかかる。しかしその腕を反射的に振り払ったみかしーは、またもや反射的に、みかこしのみぞおちあたりに強めの一撃を打つ。ヒザから崩れ落ちるみかこし。 みかしー「あっ…気を失った。」 みかしー「でも、もう何も考えられないよ。大丈夫」 これで私たちは無心になれたハズだ。しかしみかしーの想いと裏腹に、出口の扉が開く事はなかった。どうやらヒゲ酒場の言う「無心の部屋」から脱出する方法は気絶することでも、馬鹿になることでもなかったようだ。 床に倒れるみかこし。そして無心というよりバカ面で突っ立つだけのみかしー。ヒゲ酒場は、このゲームがまだまだ続けられる事を確信し、恍惚な笑みを浮かべていた。彼は最初に2人がここに連れて来られた理由をこう言った。「それはあなた方が一番よくわかっているのでは?」と。ヒゲ酒場は、このゲームが少しでも長続きするような人物を選んで、この空間に閉じ込めていたのだ。条件はそう・・・ ヒゲ「バカでよかった…(・・・・・・・・)」 ヒゲ酒場はこの2人をオモチャにし、答えのないゲームを続ける事にした。これで暫くの間、退屈から脱出することが出来ると。
/153ページ

最初のコメントを投稿しよう!