結局、何だったのか?

4/5
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/17ページ
1コマ目 彼女は当時、僕と同じクラスの同級生だった。 2コマ目 正直、初めて会った印象も何もない。 3コマ目 ただのクラスメイトの一人ってだけで、それ以上の思いも感覚もない。 4コマ目 それまで話す機会はあっただろうか? 5コマ目 恐らくそれはないだろう。 6コマ目 けれども、やっぱり彼女のことについて印象があるとすれば、黒くて大きいめがねの子がクラスにいるなってだけで、特に印象はなかった。 7コマ目 けれども、僕と彼女があんな形で繋がりを持つ機会が訪れるとは、あの当時の僕は考えもしなかった。 8コマ目 人生とは考えもしないことが起きる。 9コマ目 よく聞く言葉と言えば、よく聞く言葉だ。 10コマ目 何も珍しくない。 11コマ目 けれども、起きる前の段階ではそんなことを言われても、さほどあまり思わないものだ。 12コマ目 けれども、それが起きてしまった後の衝撃は計り知れない。 13コマ目 それは想像という言葉では限界を超えている。 14コマ目 それが起きる前にそのような事実を知っても、それはただの理屈の範囲でしかなく、それを分かっているということにはならない。 15コマ目 理屈ではなく、経験で人は分かるべきだが、人が経験出来ることには限界があり、経験しない方がいいことだっていいことだって世の中には当然ある。 16コマ目 いや、止めておこう。 17コマ目 今はそんなこと話したところで、何の説得力にもならない。 18コマ目 けれども、まずこんなことを彼女に言っては悪いが、彼女は当時……。うーん、違う。そうじゃない。 13コマ目 彼女はそうじゃない。 14コマ目 彼女は決して、そう言うじゃなかった。
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!