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1コマ目
彼女は当時、僕と同じクラスの同級生だった。
2コマ目
正直、初めて会った印象も何もない。
3コマ目
ただのクラスメイトの一人ってだけで、それ以上の思いも感覚もない。
4コマ目
それまで話す機会はあっただろうか?
5コマ目
恐らくそれはないだろう。
6コマ目
けれども、やっぱり彼女のことについて印象があるとすれば、黒くて大きいめがねの子がクラスにいるなってだけで、特に印象はなかった。
7コマ目
けれども、僕と彼女があんな形で繋がりを持つ機会が訪れるとは、あの当時の僕は考えもしなかった。
8コマ目
人生とは考えもしないことが起きる。
9コマ目
よく聞く言葉と言えば、よく聞く言葉だ。
10コマ目
何も珍しくない。
11コマ目
けれども、起きる前の段階ではそんなことを言われても、さほどあまり思わないものだ。
12コマ目
けれども、それが起きてしまった後の衝撃は計り知れない。
13コマ目
それは想像という言葉では限界を超えている。
14コマ目
それが起きる前にそのような事実を知っても、それはただの理屈の範囲でしかなく、それを分かっているということにはならない。
15コマ目
理屈ではなく、経験で人は分かるべきだが、人が経験出来ることには限界があり、経験しない方がいいことだっていいことだって世の中には当然ある。
16コマ目
いや、止めておこう。
17コマ目
今はそんなこと話したところで、何の説得力にもならない。
18コマ目
けれども、まずこんなことを彼女に言っては悪いが、彼女は当時……。うーん、違う。そうじゃない。
13コマ目
彼女はそうじゃない。
14コマ目
彼女は決して、そう言うじゃなかった。
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