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声は、早く生き返りたいんだけどなあ、と軽い調子で続く。曰く、そちらの準備は出来ているものの、現状では障害が多すぎるらしい。神は伏せっているし、星喰いの件もある。その辺りを解決するには、自分が霊体の方が動きやすい、という理屈だ。
“ ま、ウダウダ言ってもしょうがねえから、とりあえずやれることを頑張るわ。で、シェリーちゃん。ちょっと失礼”
「へ?」
シェリーが目を見開いている間に、何か、アイスクリームを食べた後のような冷たい空気がひゅっと身体に入り込んでくる気配があった。まるで風が吹いたようだ。アドルフが興味深そうにシェリーの様子を見ていた。
「シェリー様。今」
「えっと……入ってきました?」
「ええ。いかがですか?」
「入ってきた感覚はありましたが、不快感はないですね」
自分の身体を見てみても、特に変わったところはない。当然ながら、頭を侵食される感じもない。職業柄、今入ってきた魂に危険がないことは分かった。中身がタツキなのだから、当たり前なのだが。
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