ときわたり

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 弟が頭を抱えていても、朗らかに笑い飛ばすオズワルド。  確かに今は、便宜上、取り調べ中である。上空で任務を終えたリュウたちが花火を合図に駆け付けたところ、トビアスとオズワルドが何やら揉めている現場に遭遇したので、そのまま事情聴取が行われたのである。後に、風の国にいた面々のみならず、雪の国にいたイライザやバートも帰還し、今に至る。 「このノリは、あれだよなあ。どっかのヴィクトル王を思い出すよなあ。そう思わねえか、ウィル」 「まあ、でも、大事にならなくて良かったじゃない」  渋い顔をするフィルと、苦笑を隠せないウィル。ヴィクトル王とは瑠璃王国の国王にあたるが、親類に側近がいるトビアスは、確かに似ているかもな、とうんうん頷く。瑠璃と関わりの深い父を持つオットーも、父もそんなことを言っていました、と返していた。 「しかし、磁力に対抗するために上空から雷をぶつけるとはね。流石はギルドの精鋭諸君、面白いことを考える」 「結構、捨て身の作戦だったんですよ」  トウガが肩を竦める。 「兄ちゃんに雷を撃つなんて、おれ、二度とやりたくないです」 「だろうねえ。頑張ったよね、トウガ君」  バートにくしゃくしゃ頭を撫でられたトウガは、ほんの少し、目を潤ませていた。
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