16人が本棚に入れています
本棚に追加
/592ページ
一同の視線がリュウに注がれる。ただ、当のリュウは即答はせず、ふむ、と顎に手をあてた。
「つまり、外装工事を伴う対策が要るというわけですね」
「さよう」
「その規模の話になると、私一人では判断致しかねます。ギルド内にそういった地帯を新設するなら別ですが、恐らく狭すぎるでしょう。各国の協力を仰ぐ必要があるかと」
「国!」
イライザが少し仰け反った。
「国ってことは、じゃあ、各国の王様とかに話して回らないといけないってこと?」
「そうなるな。土地の確保、人材の確保、及び採算の確保、全て満たせるかを各々確認しなければ」
「と、途方もないわ……」
「時間かかってしょうがねえな。そんなことしてる間に、被害者だけどんどん増えそうだぜ」
エリックも苦言を呈する。その横で、オットーがあのう、とおずおず手を挙げた。いち早く気付いたのはウィル。
「オットー、どうしたの」
「各国へのプレゼンに、時間がかかるのは仕方ないのですよね。そしたら、工事の時間の方、短くならないでしょうか。例えば、磁鉄鉱を埋め込むんじゃなくて、霧状に砕いて噴射するとか。効果、薄れますかね?」
最初のコメントを投稿しよう!