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「スプレー!」
トウガとトビアスがほぼ同時に叫んだ。バートとエリックは、なるほど、と親子して似たような相槌を打っている。各地から感嘆の息が漏れる中、その手があったか、と呟いたのはマイルズ。
「スプレーね。その手があったか。その方が埋め込むより楽だし、説得もしやすそうですよね」
「さっすがおれの甥っ子だぜ! 良い着眼点だ!」
「なんでフィルが威張ってるのさ……」
「む、双子隊長の甥っ子とな……?」
その双子隊長やマイルズには目もくれず、オズワルドはさっと立ち上がり、オットーの前に跪く。オットーは流石に肩を跳ね上げたが、お構いなしだ。
「君、もう一度名前を聞かせてくれたまえ」
「あ、オットーです……」
「もしかすると君は、設計技師ロックの息子ではないかな?」
「た、確かに父はロックです。ただ、ジャーナリストですけど……」
「ああ、そうだ兄貴」
ここでようやく事を理解したマイルズが助太刀に入る。
「その子のお父さんだよ。うちの店をリフォームしてくれたのは」
「やはりそうか! 父君には大変世話になった! おかげさまで内部も広くなったので、また月が降ってきても好きなだけ保管出来るぞ! いつでも相談してくれ!」
「は、はい、い……」
「兄貴、とりあえず離れてあげて。オットー怯えてるし、なんか変態くさいから」
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