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ここのところは、それこそ立場上、気を張っていることが多い。何と言っても、今のシェリーは天界の長だ。『姫様』と呼ばれる期間が長すぎたせいか、長老と呼ばれた先代と違い、姫長様と呼ばれることが多いが、そういう問題ではない。天界を率いる立場であることに変わりはない。
しかし、タツキに対しては別だ。若いときから兄のように慕ってきたし、現在は実際に義兄である。彼の方も当たり前のように妹扱いしてくるので、つい気が抜けてしまう。ただの『シェリー』に戻ってしまう。
「まあ、ただ、実際はね。戻る前に、いろいろ片付けないといけなくて」
「そうなのですか?」
「うん。だからあちこち飛び回ってる。結構忙しいんだよ」
「……」
「オレの魂はここにあるだろ。で、身体の方は、今は地上にあるんだ。人に貸してる」
「貸してる!?」
「あ、オレの姿はしてないよ。前世の女の子に貸してるから、その姿してる」
「……その女の子が、前世の約束に関係する方なんですか?」
「いや、別の話」
「別の話……?」
「それも含めて片付けたいの。つまりやることが多いってこと」
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