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「それで、本日はいかがなされました?」
「そうそう!」
オットーの体調が落ち着いてきたようなので、彼を地面に下ろしながらトビアスが答える。
「王様に会いに来た!」
「トビアス君。いくら身内と言えどもそんな気軽には」
「ち、違うんです」
トウガとオットーがほとんど同時に否定した。二人顔を見合わせたが、とりあえずトウガの方が口を開く。
「地上で正体不明の存在が暴れていまして、それから国を守るための提言に来たんです」
「ああ、『星喰い』の話でしょうか。存じておりますよ。提言と申しますと」
「磁鉄鉱の粉を、撒かせて欲しい、です」
今度は震える声でオットーが答えた。
「星喰い自体をどうにかするまで、で構いませんので。今、他の隊員たちも、各地で同じ許可を貰いに散らばっています」
「つまり、皆さんがこちらにいらしたのはギルドのお仕事としてなんですね。なんで磁鉄鉱なのか分からないですけど……詳細は場所を変えてお伺いした方が良いですかね」
「そうだ、叔父さん」
トビアスがオットーの肩をガシッと掴んだ。
「こいつは、ロックさんの息子なんだ」
「ロックさん……ああ! 確かに面影が。ロックさんにも、その節は大変お世話になりまして」
「あ、そ、そうですか。逆に父がお世話になってたわけではなく……?」
「トウガさんもオットーもさあ、自分の親父さん何だと思ってんです?」
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