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ぶっきらぼうで、どこか面倒くさそうな様子で、ツカサはハタキを持ったまま外に出ていく。その後ろ姿を見送りながら、トビアスが腕を組む。
「……叔父さーん。あの人、あんな調子で王の側近なんか務まるの? だいぶぶっきらぼうだけど」
「まあ、来客の対応はほとんどやらないからね。大丈夫じゃないかな。あれでも仕事は優秀なんだよ」
「ふーん」
苦笑するモールに対して、疑わしげに眉を潜めるトビアス。オットーは、ツカサの人柄については父からよく聞いていたので違和感はないようだ。
「今だって、さりげなく、こっちの仕事代わってくれたろ」
「ああ、まあ……そうか」
「トビアス君、ツカサさんの話なら、おれも父さんから聞いてるよ。確かに昔はいろいろあったみたいだけど、今は心配することないと思う」
トウガさんがそう仰るなら、と、トビアスはそれ以上ツカサについて言うのをやめた。おそらく彼はツカサとは馬が合わないのだろうが、仕事に直接関係する事項ではない。モールからも、あまり問題は起こさないでくれよと釘を刺されて、トビアスは小さく肩を竦めた。
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