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それは夏の暑い時、
ーー私は、逃げた
おもちゃの様に遊ばれる日々から。
必死に逃げた先は隣の家。
その家の裏でカラダを竦めて丸まっていると 男の驚いた声がした。
「なんだこれ!?」
その足音は近づいてきて、私を片手で体を鷲掴みにした。
私は怖くてその人のことを見ることは出来なかった。
ただ、私を捕まえて オロオロ としている事だけ分かった。
「どこから来たんだ?」
その人は私を掴んだまま家の中に入る。
どうしたらいいのか分からないのだろう。
捕まえたまま、ウロウロしている。
「とりあえず、ここに置いとこう…」
置かれた場所はツルツルした青い丸い石が並ぶところ。
ーーガラガラガラ… と音がして、
私は独りになった。
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