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3月いっぱいで、会社を辞めて
地元を離れようと思っていることを伝えたら
本社の開発チームの事務の人が、介護のため
辞める人がいるので、異動という形を
取らないかと打診された
新しい人を採用して、仕事を教えるより
会社としても、都合がいいということで
ありがたく、受けることにした
『気を使って出ていくなら、気にしなくて
いいよ
ここに残って、一緒に住もう』
和哉さんは、難色を示した
『真琴が決めたことなら、応援するよ
何かあったら、いつでも帰っておいで』
姉は背中を押してくれた
『ちょっと心配ではあるけど、一人暮らしは
いい経験になるから』
母も賛成してくれた
心残りは、結衣と生まれたばかりの芽衣と
離れること
アパートを決めたり、仕事の引き継ぎを
したり
年が明けてからは、バタバタだった
送別会の時も、会社に最後の挨拶に
行った時も
智樹くんとは、言葉を交わすことはおろか
目を合わせることもなかった
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