第2章 出会い

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3月いっぱいで、会社を辞めて 地元を離れようと思っていることを伝えたら 本社の開発チームの事務の人が、介護のため 辞める人がいるので、異動という形を 取らないかと打診された 新しい人を採用して、仕事を教えるより 会社としても、都合がいいということで ありがたく、受けることにした 『気を使って出ていくなら、気にしなくて いいよ ここに残って、一緒に住もう』 和哉さんは、難色を示した 『真琴が決めたことなら、応援するよ 何かあったら、いつでも帰っておいで』 姉は背中を押してくれた 『ちょっと心配ではあるけど、一人暮らしは いい経験になるから』 母も賛成してくれた 心残りは、結衣と生まれたばかりの芽衣と 離れること アパートを決めたり、仕事の引き継ぎを したり 年が明けてからは、バタバタだった 送別会の時も、会社に最後の挨拶に 行った時も 智樹くんとは、言葉を交わすことはおろか 目を合わせることもなかった
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