第1章 出会いまで

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うちは、私が小学生の時に 両親が離婚をした その時に、家を出てアパートに暮らしている 祖母は、母のことを気に入らなかった 結婚しても、フルタイムで仕事を続けて いること 跡取りの男の子を、生めなかったこと そんな母のことを、守れなかった父 姉なんて、婿を取れなんて言われ続け 祖母との仲は、最悪だった 『うるせー!くそばばぁ』 なんて、よく反論していた 『真琴、あんたが男の子だったら……』 私も祖母から、言われ続けていた だけど、姉みたいに強くないから 部屋に閉じ籠って、絵を描いたりピアノを 弾いたりしていた子供時代だった ちなみに、真琴って名前 男の子だったら、真にするつもりだった らしい 女の子だったけど、そのまま「まこと」 になった 小学生の時に、まことくんって同級生の 男の子がいて、からかわれたりして 本当に、自分の名前が嫌だった 祖母のことも、父のことも嫌いだったから 離婚してアパートに引っ越して 狭いけど、気持ち的には快適だった 姉が結婚してから、アパートには 私と母の2人で暮らしていた 『お母さんはいずれ、老人ホームに入る つもりだし 真琴はいつかお嫁に行くんだから 私達のことは気にしないで、自分達の家を 建てなさい』 お母さんは笑顔で答えた
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