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デートも、手を繋ぐのも
初めては、智樹くんだった
社内恋愛だったけど、まわりもみんな
知っていて
温かく見守っていてくれていた
『ここを登らないといけないけど
俺のとっておきの場所なんだ』
付き合って3ヶ月が経ったある休日の夜
とある建物のゲート前に、車が停まった
『ここ……入っていいの?』
人は誰もいないし
閉じたゲートを前に、不安になった
『大丈夫だって、ほら』
智樹くんは、手を差し伸べてくれた
ゲートをよじ登り、坂道を歩くと
『わぁー!綺麗』
そこは、地元の夜景が一望できる場所だった
『なっ、とっておきの場所って
言っただろ?』
ちょっとドヤ顔で笑う、智樹くん
『うん!感動したよ
智樹くん、ありがとう』
隣にいる智樹くんを見ると、真剣な顔を
していた
『真琴ちゃん……キスしていい?』
返事をする前に、智樹くんの顔が近づき
唇が重なった
私のファーストキスだった
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