いつも感じる…風の色

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いつも感じる…風の色

どこ吹く風もこの季節、 今年も湿ったままのここに居る。 遠くの乾いた風も懐かしい… 乾かなければ、 雪は降らないし積もりもしない。 それは寒い感覚では終わらない、 自我に目覚め始める時。 自分が試されて居た頃、 目の前で積もる雪を見た。 家の窓から見る雪山と、 乾いた所からの雪山は、 自分が在る意味を教えてくれた。 大きくても小さくても、 山は山だし雪は雪だった。 その意味を伝えた乾いた風は、 もうぼくの身体には吹き抜けない。 笑って顔を撫でられた頃、 目の奥は濁って居たから、 色はチラつき罪の色だけだった。 やがて嵐になった時、 素直に諦めの雨が降る。 澄んだ気持ちと乾いた雨が、 濁った心を空っぽにして、 降り続く雨の中嵐が止んだ。 希望と願いの陽射しの中、 諦めた風が吹き抜けた。 でもそれは、 絶望の風ではなくて、 これから新しい事が始まる お知らせの風だった。 乾いて居たかどうかは忘れたけど、 風と一緒に桜が舞った。 それが、ぼくの風の色…
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