潔白

1/6
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ

潔白

 目を覚ますとそこには「白」があった。何かの例えでも抽象的なことをいっているのでもない。壁一面、真っ白に包まれていた。周囲を確認しても何もない。ただ白い壁が続いている。それを見て初めて思った感想は、綺麗だな、といった何気ないものだった。ていうかここどこーー?  とりあえず三十分がたった。まあ、それも時計のないこの場所ではただの体感でしかないのだが。とにかく何も覚えていない。なんでこんなところに?昨日はいつも通りベッドにダイブしてそのまま眠った。誰かに殴られ気を失ったわけでも、怪しい薬を盛られたわけでもない。誰かに狙われる家庭に生まれたわけでも、恨みを買うような事件に関わったわけでもない。一体なにがどうなってるんだ?訳が分からなすぎる。何かの間違いじゃないのか?そうだ、人違い。人違いに違いない・・・。で?で、どうすればいいんだよ。何にもないんだけど。何をすればいいの?自己完結で終わってもどうしようもなくない?とりあえず、言ってみることにした。  「間違いじゃないですかねー?」     
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!