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第一章 現実世界
8月某日、陽射しが強く気温も非常に高い、いつもならばクーラーを効かせて部屋で昼寝でもしてるところだが、残念ながらその生活は昨日で終わってしまった。
親に今日こそはハローワークに行けと家から放り出されたのだ。
「嫌だ!外になんか出たくない!」
その叫びも無視され昼食後にそのまま外へ出されてしまったのだ。
憎らしいほど晴れた空は美しい蒼と夏を感じさせる入道雲を現していた。肌を焼くような暑さの中、田んぼだらけの細い道を足取り重く歩く。ここ梟林市はものすごく田舎というわけではないが家の周りは田んぼに囲まれ、20分ほど歩かないと景色は変わらないのだ。親はその後仕事だとかで、駅まで送ってもらうことすら出来なかった。ハローワークに行くには一度駅に行って電車に乗り、そこからバスに乗らなくてはならない。だというのに、駅に行くまでの道の途中はバスが1日三本程度しか通らない、所謂車社会なのだ。
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