第三章 不吉な訪問者

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「…おめでとう、ラミエル兄ちゃん、この間リリアナ姉ちゃんに教わったこときっちり覚えてたね。入学条件は忘れてたみたいだけど。」 「あ!バカ!言うなよ!」 一体何のサービスが受けられるというのだろうか?ラミエルもレミエルも知らないようだ。やがてラミエルとレミエルは母に呼ばれて、騒々しく部屋を出て行き、その後母に世話をされた。その後どこかへ行くのか着替えてくるなり紐のようなものでレヴィアを自身の胸元へと括り付けた。そして双子の手を取り家を出た。季節は夏なのだろうか?眩しい日差しが照り付ける。一瞬街とは違う何か田園のようなものが見えた気がしたが、レヴィアは一瞬自分の頭に出てきたその風景を何だったのか理解できず、気のせいだと思い込むことにした。  街中を見るのは初めてだった。道中、気さくに母に声を掛ける金髪の白髪混じりのふくよかな女性や、とても可愛らしいがどうにも抜けている様子の仕事中らしい赤毛の女性が、父ほどではないが強面の男性に茶化されていたり、とても温かい街だった。 レミエルやラミエルを呼ぶ幼い子供も居たりもした。 国中の家はコンクリートで出来ており、中にはヒビも入っているような古い家もある。家々の間にあるコンクリートの階段を登ると、向かい合った二軒の家の窓から一本こロープが張られており、それには洗濯物が釣る下げてある。     
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