第三章 不吉な訪問者

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「あぁ、恐らく男子供も女子供も関係なく戦争への戦力として駆り出されてもおかしくはない時代が迫ってきている…。ここで国民登録をしてしまえばその子が近い将来何らかの障害のある子でもないならば、下手をすれば学校に入らなくとも戦争に行かされることとなるだろう。亡命したあとも少なくともその子は最初からその国の子供という事にも出来るだろうからな。」 「…でも亡命って…わかってるのかい?国を裏切った者としてバレれば弾圧される。それにどこに逃げろっていうんだい?それに…」 「少し離れるが、安全面も考慮して公用語が通じるのは大陸の方にあるガロンという国を目指せ。船は私が出そう。ナタリア、何、お前が居なくなったあとのフォローは私がしておくさ。」 「勝手に話進めるなよ!もしあたし達が逃げきったって亡命はいつかは必ずバレる!そうなれば、亡命の手伝いをしたあんたは、いくら大臣とはいえ殺されるぞ!」 「…簡単にそうは頷いてくれないとは思っていたが、そんなことまで考えていたとは…ありがたいが馬鹿者。後先短い私の事など気にせんでいい。」 「そんな簡単に言うなよ!あんたは…私のっ…」 「まぁ待て、何もすぐにとは言わん。一ヶ月間、よく考えてくれ、家族とも話し合って…な。」  どこか威厳のある険しい目つきになっていくフェルスに多少動揺しながらも母は話し合ってみるよ…。と呟くように返事をした。     
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