第四章 因果応報

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一番最初に口を聞いたのはリリアナだった。 「…何かあったのね、レヴィアの国民登録をしに行った先で」 「…リリアナ…」 「教えて」 「リリアナ…貴女には…」 気の迷いからだろうか、母は言いかけた言葉を一度噤んでから 「ほ、ほらもう遅いし寝ないと…明日も…」 「母ちゃん…リリアナ姉ちゃんの言うとおりだよ」「ラミエルっ…やめてやってくれ、母ちゃんは…」 「母さん、責めたりしないから…お願い。何があったのか教えて」 「………わかった」 …。 …。 そして事の顛末を聞いたリリアナはしばらく押し黙っていたが、重たい口をようやく開いたらしい。 「…私っ…」 その時リリアナが何を思ってなんと言ったのかは明確には聞こえなかったがその後の声で予想が付いた。 「何を考えてるんだい!?話を聞いていただろう?そんなことしたら…」 「そんなの分かってるよ、母さん」 「だったらなんで…」 「それしかないんだよ。父さん。亡命を勧めたフェルス大臣は反逆罪で処刑された。そして遺体をここに運んできた…。それは紛れもない警鐘なんだよ。亡命をすればどうなるかわかってるな?って意味を込めた。」 「だからといって…リリアナっお前が行ってどうなるっていうんだ…!」     
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