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白・冬
人間には選ばれるやつとそうじゃない奴がいる。
僕は、後者だ。
兄は家族の中で太陽だった。
勉強も運動もよくできて性格も社交的、もちろん女子にもよくモテる。父も母も兄に夢中で、僕もそんな兄に憧れていて、兄が進んだ道を当然僕も同じように歩むのだと信じてきた。
担任に、受験校のランクを一つ落とせと言われた中三の秋までは。
その一週間後、志望校を提出する用紙に、やけになった僕はランクを一つどころか三つ下げた校名を書いて提出した。
先生から流石にこれは、と言われることを期待していたが、用紙はあっさりと受理されてしまい、提出してしまったものを今更反故にすることもできず、僕は今の高校を受験し、合格、そして入学した。
入ってすぐに、後悔した。
バカばっかりじゃないか。
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