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呆然とした僕の足元で、申し訳なさそうな鳴き声が聞こえた。下を見ると、一緒に住むことに決めた白猫が行儀よく座っていた。犯人は一目瞭然だった。
なんとなく謝っているように見えるその視線に、僕は怒る気が失せ、しゃがんでその猫の頬をつまんだ。
「次、こんなにやんちゃしたら駄目だからな」
じっと目を見つめて言い聞かせると、了承するようにまた小さく鳴いた。
彼女がいなくなった代わりに、彼女の飼うと決めた、彼女の面影を持つ猫がいる。一人と一匹の暮らしが始まる。まずは部屋の大掃除から。なんとも締まりのないスタートであった。
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