第1章 サンタさんが産みの親!?

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「ココはどこ?」 私が初めて見た景色は、何かの工場の様な場所だった。 赤い服を着た白い髭のおじいさんがいっぱいいて、赤いドレスを着た小さな妖精さんのようなものが、たくさん飛んでいた。 そして私は長いベルトコンベアの上にいるようで、動けないのにゆっくりと大きな工場の中を進んでいる。 そんな不思議な世界の中でサンタさんの会話が聞こえてきた。 「よしっ!このミニカーは完成だな!」 少しふっくらとしたサンタさんが虫メガネのようなもので、おもちゃを確認しながらそう言った。 「今年は困ったな。みんな望むおもちゃが違うんだ。期限はあと何日だ?」 今度は少しやせ気味のサンタさんが、眉間に皺を寄せながらそう言った。 「クリスマスの24日まであと7日です。」 サンタさんの周りをリボンをくるくるさせながら飛んでいる妖精さんが、綺麗な可愛い声でつぶやいた。 「本当に困ったな。しかも今年はサンタの数が少ない。」 小さな金フレームの眼鏡をかけたサンタさんが、ねじを回しながら呟いた。 「そうそう、なんでこんな時に限って、インフルエンザに…。」 今度はDollハウスを組み立てている、みんなより少しだけ体の小さいサンタさんが呟いた。
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