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そして16歳になった彼女は自国へ戻り、王都にある貴族が通う学園へと入学しました。
婚約者の王子は彼女よりも一つ年上の為、去年学園に入学しておりました。
彼女と王子は仲睦ましく学園生活を送り、あっという間に1年の月日が流れました。
1年たつと妹が学園に入学してきました。
妹は学園に入学するやいなや、婚約者のいる男たちを誘惑し、取り巻きを作っていきました。
そんな妹の様子に彼女は何度も咎める言葉をかけますが、まったく聞き入れる様子はありません。
そして妹はとうとう彼女の婚約者である王子にもすり寄り始めました。
毎日一緒に食べていた昼食の時間は妹に奪われ、日課だった一緒に帰る時間も無くなると、次第に王子と彼女が過ごす時間が減っていきました。
ある日彼女が誰もいない校庭を一人で歩いていると、妹が突然目の前に現れ、彼女に向かってぶつかってきました。
突然の事に呆然と妹を見つめていると、妹は痛いっ!とその場でしゃがみ込み、叫び声をあげました。
彼女は訝しげに妹を見ていると、声を聞きつけた王子が妹の元へ駆け寄り、倒れていた妹を優しく介抱すると、王子は彼女を鋭い視線で睨みつけ、なんてことをするんだと怒鳴りました。
王子の言葉にショックを隠せない彼女は、何も言うことができず、仲良さそうに寄り添う二人を目の当たりにし、その場から逃げ出してしまいました。
ふと昔、妹と一緒に暮らしていた日々が頭を掠めます。
このままだとまずいわ。
彼女は部屋に引きこもると、隣国で学んだ魔法陣を書き始めました。
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