無限のキャンバス

3/3
前へ
/3ページ
次へ
 小一時間ほど経って廊下に出てみた私は、愕然(がくぜん)としてため息をついた。  白い壁にでっかくお日様マークが描かれていた。  あーあ、やられた…。  他にも寝室のシーツなど白いものはことごとく奈央の餌食(えじき)になっていた。  家の外に出ていたらしい奈央がドアを開けて、私の元へタタタっと駆けてきた。 「ただいまー!」  手に石が握られていた。それを見た瞬間、血の気が引いた。  そうだ、先月新車を買ったんだ…。色は白。  私は車のドアにあるお日様マークについて聞かれた時、いつもこの話をしている。
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加