第三章 毒親からの子離れ

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出会い系が流行る。 クラスの友人たちが、出会い系で彼氏が出来始めたのだ。 ある日友人が、彼氏と別れ辛いから週末付き合ってとのことでその週末街に出た。 当時上映されてた【グリーンマイル】を見ようと夕方から映画館に入った。 友人と映画を観るのは初めてだった。そもそも映画を両親と見た記憶もほぼない。 映画が何時間あるかもよく分からない。ただ、この映画は放映時間が長くて… 友人は上映中、何度も彼氏との電話に席を立った。 友人の行動と、刻々と時間が経つことが気になり映画には集中できなかった。 上映が終わった後、彼女は「彼氏とヨリを戻せたの」と喜んでいた。 わたしの方は、慌てて母に電話を掛けたが「あんた!何時と思ってるの!いい加減にしなさい!!」と罵倒され一方的に電話を切られた。 「この後どーする?」と呑気な友人に「帰らなきゃ」と慌てて帰る。街から家まではバスで40分はかかるのだ。バスの中で不安と恐怖でたまらない。 家に着いたのは19時くらいだったのだろうか。 母は鬼の形相でわたしを罵り、罵倒した。 「男ができたんか!男といたのか!」そうも言った。 何を言っても聞く耳を持たないので、友人に電話を掛け、本当に一緒にいた。映画の放映時間が長かった。バスに乗った時間を話してもらった。 だが、母は「口裏を合わせてるんやろ」と聞かない。 映画館に電話をし、放映時間を母に伝えてもらうも結局「本当に見た証拠がない」と聞かない。 信じてもらえないのだ。「嘘つき!」と罵る。 大きな声で罵倒する母の声に父が起きる。 これがとにかくやばい。 「やかましいのぉぉー!!!!」と父もキレる。 矛先は決まってわたしだ。父はどんな理由であれ母の味方しかしないのだから。わたしは蹴られ殴られる。 そして、わたしの中で問題はもう一つあった。 友達に確認の電話をしたことで、明日学校で「あの子のお母さんってさー…」って言われないかと、いつの日かの恐怖で怯えるのだ。
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